関大生シンガー・ソングライターの花房真優さん(はなふさ・まゆ、21=経済4)が14日、関西大学梅田キャンパスのTSUTAYA BOOK STOREイベントスペースでミニライブを行った。4月5日に全国発売されたCD「Twinkle」のリリースイベントで、関大生として初めて同店のステージに。「一曲一曲に魂をこめて作っています。たくさんの人に自分の曲が届いている実感があります」と、母校凱旋で5曲を熱唱した。

大学図書館のような、落ち着いた雰囲気の会場。併設されたスタバで読書や勉強をしているお客さんがいる中、始まったライブの1曲目は、CDの題名にもなった「Twinkle」。一番星だけが輝いているんじゃない。周りの星だってどれもきれいなように、みんな、ひとりひとり輝いている-そんなメッセージが込められた。サビでは自然に手拍子が生まれ、曲に合わせてタオルを振るお客さんにカフェスペースの人もついつい引き込まれた。

毎日放送などが大阪・茶屋町一帯で開催したイベント・チャリウッド2017の一環。爽やかな緊張の中での心地良いライブに、道行く人も足を止める。同店のスタッフは「こういうイベントをもっとやっていきたい」と、梅田キャンパス1階のステージが関大生ミュージシャンの夢舞台になる。

花房さんが本格的に音楽活動を開始したのは大学入学後。昨年の関西大学統一学園祭で行われたKUロックフィーバーにも出場した。映画主題歌や、TV番組とのタイアップ、ラジオパーソナリティと、花房さんの透き通った声が全国に。「ゼミの先生もアマゾンでCDを買って、サイン書いてとか言って持ってきてくれたり。周りに活動を理解してくれる人が多くて。母校で歌えたこともそうです」と、関大生からの注目も集める。

幼い頃はとても内気な性格で、言いたいこともなかなか言葉にできなかった。小学4年でYUIの「Good-bye days」を聴き、衝撃を受けた。自分の言葉を歌にしてみようと思い、父親のギターを手にとった。「その頃は、音程も高くて全然うまく歌えなかったけど、今は歌詞の意味を考えながら歌っています」。ライブの中盤、運命の曲のカバーも披露した。

ライブの最後に選んだのは、CDにも収録されている「赤い色をした愛を」。ふだん心に秘めている感情を、思わず吐き出させてくれる母のようなバラード曲だ。【写真・関西大学梅田キャンパスのTSUTAYA BOOK STOREでミニライブを行った花房真優さん(撮影・藤野裕友)】

「いつもみんなに届けようって思うんじゃなくて、たった一人の誰かに届けようという気持ちで歌う」ことを大切にしている。この日は母の日。「愛をこめて歌うから」と、母親をライブに誘った。愛娘から歌のプレゼントをもらった花房さんの母は「こんな特別な場所で歌わせてもらえることは本当にありがたい。これからもずっと見守っていく。今日もよかったよ」と優しく微笑んだ。

「口角を上げて。必ず幸せが舞い込んでくるから」。幼い頃からいつも母親に言われてきた言葉だという。「大学から音楽活動を本格的に始めるって一般的には遅いほうなんですよね。でも、夢を持ち続けられてよかったなって思います。応援されているぶん、もっともっと頑張れる」。花房さんの笑顔は、まぶしいほど輝いていた。【山本朝子】

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