関西大学の大規模避難訓練「関大防災Day~広がれ!みんなの安全・安心!」が18日行われ、千里山キャンパス内にある災害用備蓄倉庫が公開された。同キャンパスは大規模災害発生時の一時避難地として吹田市から指定されているほか、関西大学は同キャンパスを地域の防災拠点として活用するレジリエンス(防災力)キャンパス構想を推進している。

今年4月には政府の「国土強靭化貢献団体認証(レジリエンス認証)」を大学として初めて取得した。レジリエンス認証は今年4月に創設された制度で、災害時の自助活動などに取り組む企業や団体に与えられる。イオンやローソン、佐川急便など44団体が名を連ねるが、大学は関西大学のみの栄誉だ。

2階建ての備蓄倉庫には、25年間保存できるシチュー、クラッカーなどのサバイバルフーズや毛布、おむつなどの生活用品、仮設トイレや発電機などが所狭しと置かれていた。災害発生時からの3日間の避難者のべ1万8000人をまかなえる量だ。

井戸水などで820トンの水を確保。阪急関大前駅と第3学舎(社会学部)を結ぶ新通学路も、災害時に安全な移動ルートとしての役割を担っている。関西大学の中村匡志総務課長(45=94年経済卒)は「地域の中の大学として、いろいろ整備しないといけない。地域住民をもっと巻き込むことができれば」と、真剣な表情で訓練に取り組んでいた。

商学部の授業が行われていた第2学舎2号館F403教室では午前11時40分、M7.6の大規模地震が発生したとする地震音が流れ、220人の学生が机の下に隠れた。教員の誘導で悠久の庭に避難し、安否確認シートを提出。また、通学時やキャンパス外の学生の安否確認を想定し、緊急連絡メールが一斉送信された。

今年で8度目の大規模訓練とあって、安否確認シートの配布・回収もスムーズ。炊き出し2000食の無料配布は、約20分で鍋が空になる人気だった。

翌日の19日には、訓練の時刻に和歌山県南部を震源とするM5.4の地震が発生。千里山キャンパスも大きく揺れた。メルアドの変更などで緊急連絡メールの未着や、受信しながら〝既読スルー〟する学生がまだ3割ほどおり、より精度を高めていきたいという。【写真・公開された関西大学千里山キャンパスの災害用備蓄倉庫】

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