13日に行われた明治神宮野球大会・関西大学-明治大学戦で、関西大学応援団の第94代団長・竹内美沙保さん(21=法4)が、歴史ある神宮球場の応援台に立った。【写真・神宮球場のスタンドから試合を見守る応援団長の竹内美沙保さん】

2年ぶりの明治神宮大会出場となった関大。42年ぶりの出場となった2014年も、応援団長は女性だった。当時の団長・松田花衣さん(旧姓・黒澤、24=15年法卒)の下、学ラン姿でスタンドを走り回っていた竹内さん。「フレー!フレー!関大!」羽織袴姿で叫んだ声が、球場に響き渡った。

2時間45分の試合に、全力を注入した。一塁側スタンドを埋めた2000人のパワーを、応援団員とともに引き出した。「神宮というのと、相手が明治だったので、緊張して萎縮しちゃうのかと思いましたけど、大きくなれた。もう、からっからです」。大阪から急遽観戦に訪れた芝井敬司学長(60)も「応援がすごかった。試合には負けたけれど、応援は勝っていた」と、スタンドの一体感に舌を巻いた。

応援団長としての最後の大舞台。涙はなかった。試合前、関大野球部の松山和哉主将(22=総合情報4)と泣かない約束をしていた。「泣きたくないなぁ。神宮、2人でほんまに楽しもう、やり切って終わろう」。PL学園で主将を務め、千葉ロッテの松山秀明内野・守備走塁コーチ(49)を父に持つ松山主将は、一般企業に内定。9回裏に訪れた野球人生最後の打席で中前打を放ち、竹内さんの応援に応えた。

1922年(大正11)から続く応援団リーダー部で、史上初の女性部員。4年間の関大生生活すべてを、応援団にかけた。かけすぎて、留年を決めてしまったと笑う竹内さんは「普通の女の子に戻ろうと思う。でも、応援団が終わってからの生活が想像できなくて怖くて…」。女性専用車両に乗っていると、車掌から注意されるほど男前だった女性団長。団長としての日々も、もうすぐ終わる。

【関連記事】関大130周年は女性応援団長!竹内美沙保さん-2015年12月27日

返事を書く